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『コミックサイトで逢いましょう』―番外編―
第1章 【第一部】これより先危険につき!

どうして、飯喰うのにわざわざホテルへ行く必要があるのだろう。


“何考えてんだ、こいつ──”
 
 
そして、案の定だ、案の定…予感は的中。

 
「なっ、悪くないだろ?高台からの相模湾の眺めは最高!なぁ、モトミ…気に入ってくれた?」

「…美味いけど…こんな凄いとこじゃなくて良かったのに…もっと普通で」

「そんなの気にすんなよ。俺、ここのオーナーとはちょっとした知り合いなんだ。それに、多少はムードも必要だろ」
 
ふーん…ってことは知り合い価格ってこと?

でもなぁ…”ムード?”そんなものどうして俺たちに必要なんだ。
 

美味い飯に絶好の眺め、美しい音楽、口当たりの良いカクテル、まったりした時間の流れ。

そんなもので俺の感覚を麻痺させた耿輔は、腹が膨れて幸せな気持ちになった俺を言葉巧みに、周到に準備した罠へと誘い込む。
 

「此処ってさ、スパもフィットネススタジオもプールも有るんだけど、折角だから行かない?俺、優待価格で此処の施設利用できるんだ。食事の一貫として、それもプレゼントするからさぁ。一緒にスパ行こうよ、ねっモトミ?」
 
何だろうこの優しすぎる眼差しは。

何故か遠い昔を思い出す…ちょっと酔ったのかな、自分…。
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