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堕天使 1st gig.
第7章 役人

大使館から本部に引き上げた俺は真っ先に五十嵐に呼び出しを受けていた。五十嵐は
『全く、お前さんという奴は…。』
と呆れ顔で上官の部屋へと俺を連れて行く。俺と五十嵐の上官、すなわち対テロ特殊部隊の全体の中隊長である大佐のところに今回の任務の事で俺は出頭命令が出ていた。
大佐は大戦時からの俺と五十嵐の上官だ。親父さんと呼ばれるほど物わかりのいい上官だが、はみ出し者ばかりを集める人だから上層部との折り合いはあまりよくはない。
今回の大使館占拠の任務での俺の態度について政府からの苦情が軍の上層部に行った結果だから俺はこの呼び出しを開き直っていた。五十嵐は俺に
『あまり親父さんを困らせるなよ。』
と言いながら上官の部屋の扉をノックしていた。大佐の副官がすぐに扉を開け、中から
『入りたまえ。』
と大佐の声がした。俺と五十嵐は敬礼したまま部屋の中に入り、大佐が
『楽にしたまえ。』
と命令を出すまで敬礼を続ける。口を開くにも大佐の命令が必要だが大佐は
『全くお前って奴は…、何か言う事はあるか?』
と五十嵐と同じ事を言いながら普通に俺に聞いて来る。俺は
『ありません。』
とだけ言い返す。大佐は
『状況は理解出来るが、問題はお前の言い方だ。子供じゃないんだから、もう少し考えてから相手に言ってやれ。わかるか?赤羽少佐。』
と子供を諭す父親のような口調だった。俺は大佐に
『自分は事実をありのままに言うだけです。自分は政府の役人ではなく軍人でありますから。』
と言っていた。五十嵐は
『それならそういう時は女房の篠原に任せてお前さんは出来るだけ黙ってろ。』
と言って来る。大佐は
『部下に任せるのも、また軍人のやり方だからな。』
と笑っていた。俺は
『了解であります。』
と不機嫌に返事する。俺は父親と兄貴に叱られた出来の悪い末っ子の気分だった。大佐はそんな俺に笑顔のまま
『下がって良し。』
と命令を出していた。2課に俺が戻るまでひたすら五十嵐は俺に、今回の事は全て親父さんが政府からの文句を引き受けたんだと説教を続けていた。
『全く、お前さんという奴は…。』
と呆れ顔で上官の部屋へと俺を連れて行く。俺と五十嵐の上官、すなわち対テロ特殊部隊の全体の中隊長である大佐のところに今回の任務の事で俺は出頭命令が出ていた。
大佐は大戦時からの俺と五十嵐の上官だ。親父さんと呼ばれるほど物わかりのいい上官だが、はみ出し者ばかりを集める人だから上層部との折り合いはあまりよくはない。
今回の大使館占拠の任務での俺の態度について政府からの苦情が軍の上層部に行った結果だから俺はこの呼び出しを開き直っていた。五十嵐は俺に
『あまり親父さんを困らせるなよ。』
と言いながら上官の部屋の扉をノックしていた。大佐の副官がすぐに扉を開け、中から
『入りたまえ。』
と大佐の声がした。俺と五十嵐は敬礼したまま部屋の中に入り、大佐が
『楽にしたまえ。』
と命令を出すまで敬礼を続ける。口を開くにも大佐の命令が必要だが大佐は
『全くお前って奴は…、何か言う事はあるか?』
と五十嵐と同じ事を言いながら普通に俺に聞いて来る。俺は
『ありません。』
とだけ言い返す。大佐は
『状況は理解出来るが、問題はお前の言い方だ。子供じゃないんだから、もう少し考えてから相手に言ってやれ。わかるか?赤羽少佐。』
と子供を諭す父親のような口調だった。俺は大佐に
『自分は事実をありのままに言うだけです。自分は政府の役人ではなく軍人でありますから。』
と言っていた。五十嵐は
『それならそういう時は女房の篠原に任せてお前さんは出来るだけ黙ってろ。』
と言って来る。大佐は
『部下に任せるのも、また軍人のやり方だからな。』
と笑っていた。俺は
『了解であります。』
と不機嫌に返事する。俺は父親と兄貴に叱られた出来の悪い末っ子の気分だった。大佐はそんな俺に笑顔のまま
『下がって良し。』
と命令を出していた。2課に俺が戻るまでひたすら五十嵐は俺に、今回の事は全て親父さんが政府からの文句を引き受けたんだと説教を続けていた。

