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堕天使 1st gig.
第9章 少年
いつもの宗司の穏やかな声に俺のイライラが少しずつ収まっていた。

『佐川…大希の弟、真広らしい。記憶にあるか?』

と俺はガキを顎しゃくりながら宗司に聞いてみた。宗司は少し考えから

『一昨年、取り押さえた自爆犯にそんな名前がいましたよ。』

と答えて来た。俺は少年に

『取り押さえたのなら殺してねぇよ。』

と嫌味っぽく言ってやる。だが少年は

『本当に覚えていないのか!?』

と俺に驚愕の顔を向けていた。俺は少年に

『だから、何をだ?それより、お前、どこで俺の情報を獲たんだ?』

と聞いていた。俺が対テロだという事実は一応機密になっている。家族をテロから守る為の機密がたかが高校生くらいのガキに破られたとなれば軍ではちょっとした騒ぎになる。

少年は少し諦めた顔をして

『兄貴はあんたの高校の同期だよ。あんた、一度だけうちに来た事あるだろ?』

と言って来た。取り押さえたテロが同期…?それを聞いてさすがに俺は少し思い出していた。

『あの佐川か…?』

と俺は少年に言っていた。宗司も色々と思い出したらしく

『あぁ…、隊長の知り合いで刑が決まる前に収監先で自殺した人ですね。』

と言い出した。佐川は確かに同じ高校だった。佐川はいわゆるイジメられっ子という奴で学校帰りにサンドバッグにされている佐川を一度だけ俺は助けて家まで送ってやった事がある。

その後、佐川は俺にまとわりつこうとしたから俺は佐川に

『俺は弱い奴と連む気はない。』

と佐川を突き放していた。その後は俺はすぐに軍に入り、あるテロ事件で佐川と再び対面した。

『赤羽…?』

自爆犯から俺は名前を呼ばれたがその時の俺は佐川を全く覚えていなかった。取り押さえてから俺は佐川に

『お前、誰だ?』

と聞いていた。そして佐川は自殺した。その弟が俺に復讐に来たとか俺にわかるわけがない。

俺は少年に

『悪いが俺は俺と関係ない奴は覚えない。佐川は2度助けてやったが結局自分で死んだんだ。勝手に死んだ奴を俺はいちいち覚える気はない。』

と答えていた。少年は項垂れて放心するような表情になっていた。宗司が

『とりあえず所轄に連絡しますから、そのまままだ押さえてて下さいね。』

と俺に言って来た。
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