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堕天使 1st gig.
第9章 少年
リナがクスクスと笑いながら

『髪が伸びてくすぐったいよ…。』

と俺の伸びた髪を触って来る。伸び切った俺の髪を切って来いとリナが言う。前はそれを言うのは宗司の役目だった。今はその役目はリナのものだから俺はリナが居ないとダメなんだと思っていた。

『明日、散髪に行って来る。』

『じゃあ、今はキスして…。』

リナの言いなりの俺はリナにキスしてリナを手放せないままだった。

気付けば夜間任務明けだった俺は寝ていたらしく、目を覚ますとベッドには俺1人だった。リナが俺を覗き込むように

『起きたの?』

と聞いて来る。俺はリナをベッドに引っ張り込むように抱きかかえて

『起きた…。』

とキスしてやる。だけど、何故かこういう時のリナはジタバタして俺から逃げようとしやがる。

『なんだよ?』

『もう夕方だからお腹空いた。それにベッドが狭くてアルトが暑いんだもん…。』

とやはり俺よりも気温が重要だとリナが言う。

さすがにその言葉は凹むぞ…

と俺はリナに言いたくなる。間違いなく俺はリナを愛してると思うがリナが俺をどう思っているのかをこういう時は自信がない…。

『なら、なんか食いに行くか?』

そうリナに俺が聞いてみると

『お惣菜だけど買って来た。アルトのビールならちゃんと冷えてるよ。』

とリナが笑って答えて来る。リナは宗司並に至れり尽くせりだが俺はリナには自信を失くす。仕事優先をリナに強いて来たのは俺だけど…

『俺がお前と居たいんだ…。』

リナの顔をまともに見れずに独り言のようにそう言った俺に今度はリナが俺にキスしてから

『なら、さっさとベッドから出て来てご飯食べちゃってよね…。』

と言いやがる。俺はリナには逆らえない…。だから俺はリナの言う通り、ベッドから出てリナと飯を食う。エアコンの気温をリナの好きにさせているからリナはいつものように俺の膝の上で飯を食ってくれる。たったそれだけの事で俺はホッとした気分になっていた。

『明日、散髪が済んだら駅前で待ち合わせして。』

とリナが俺に言って来る。
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