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堕天使 1st gig.
第1章 記憶
俺はそんな少女に

『何か少しでも構わないから、覚えている言葉とかあるか?』

と聞いてみた。少女は少し考えて

『リナ…。』

とだけ答えて来た。

『それがお前の名前か?』

『わからない…、そう呼ばれた気がしたの。』

と少女が悲しい顔をした。

この子に何があったのかは、俺にはさっぱりわからない…、だが、このままこの子を少女と呼び続けるには無理があるとか思う以上は少女の頭を撫でて

『なら、お前はリナなんだよ。』

と一方的に言った。そんな適当な俺を見ながらリナが初めて俺に笑った。ほんの僅かだが頬を紅潮させ嬉しそうにはにかむような笑顔を見せて

『リナ?』

と俺に聞いて来る。なんとなく俺も嬉しくて

『そう、リナだ。』

と勝手に名付けていた。だがリナが笑っていられたのは一瞬だった。すぐにリナが赤い顔のまま情けない表情を浮かべ、モゾモゾと妙な動きを始める。

『どうした?』

そう聞いた俺にリナが

『さっきみたいに気持ち悪い…。』

と泣きそうな表情を浮かべて答えて来る。トイレか?そう考えてリナを部屋に備え付けてあるトイレに連れて行き

『下に履いてるもの脱いで、ここに座って出すもん出すんだ。わかるか?』

と俺はリナに確認する。リナが小さく頷くから俺はトイレから出ようとするが、リナは慌てて俺の手を掴んで来る。ため息をついてリナに背を向けたまま

『とりあえず、居てやるから、さっさと済ませろ。』

と言った。チョロチョロと水が流れる音だけが俺の耳にしばらく響き、その音は止まったが今度はリナが動かない。俺はリナに

『その紙で濡れたところを拭いて流すんだよ。』

と背を向けたままトイレットペーパーを指差して説明する。リナが

『流す?』

と不安な声で聞いて来る。さすがに俺は、勘弁してくれ…、と思いながら出来るだけリナを見ないようにしてトイレを流す為のレバーの存在をリナに教えた。

なんとかトイレの仕組みを理解したリナは無事に用を済ませ、俺はリナに手を洗う事まで教えてから再びベッドにリナを戻す。

トイレも自分で出来ない子が施設になんか入れば、施設の職員は面倒がってオムツで処理をさせかねない。何も教えられずにリナの人生は閉じ込められて終わってしまうだろう。
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