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堕天使 1st gig.
第12章 クリスマス
季節はすっかり冬になっていた。

『寒い…。』

と言った俺にリナが

『そう?』

と言って来る。暑がりなリナは寒さは全く平気らしい…。相変わらずリナを膝に乗せて夕飯を食う俺は

『鍋とか食いてぇ…。』

と言ってみる。リナは

『ネットで調べて努力してみます…。』

と言っていた。リナは一応、俺が居ない日に自分なりに努力はしているらしいのだが、リナは不器用なのかなんなのか、未だに料理の腕前が上がらないらしい。

そんなリナの頬にキスしながら俺は

『明後日の23日から26日まで俺は帰れないからな。』

と言っていた。今はもう年末だ。リナは急に顔色を変えて

『アルトさん…、クリスマスって言葉はご存知ですよね?』

と言って来た。リナのこの反応は予想済みの俺は

『んあ?まあ、一応な。』

と適当に答えていた。リナは俺の態度の悪さにテーブルをバンバンと叩きながら

『一応じゃないでしょ!?クリスマスなんだよ!?聖なる日だよ!?恋人の日でしょ!?』

と叫びやがる。仕方がないから俺はリナに

『俺の仕事は?』

と聞いてみる。リナはケロリと

『テロと戦う軍人さん。』

と答えて来る。

『テロって奴は何故かクリスマス時期には活動が活発化して、よくわからん犯行予告を毎年ネットにアップしやがるんだ。』

『テロの奴…、ブチのめす!』

『そう、つまりそれが俺の仕事だから、全国で軍と所轄が協力して街中を3日間、警邏巡回をするんだ。』

そう言った俺の前にはテロに先にブチのめされたようなリナが倒れ込むように項垂れていた。

イベント好きのリナにイベント嫌いな俺はこうやってことごとく世間のイベントを拒否していた。

リナは呪文を唱えるように

『恋人の日…、初めてのクリスマス…。』

とまだブツブツと言いやがる。さすがにしつこいと思った俺はリナに

『ゴッコでも…、1人前にイベントだけは要求するのか?』

とリナに追い討ちをかけていた。

そう…、未だにリナと俺はやっていない…

リナの為に我慢するとは決めたのだが、さすがに俺にも限界だ。
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