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堕天使 1st gig.
第2章 仕事
俺のバディで俺の女房役だから、基地内に俺が居る限り、宗司は必ず俺の後をついて廻る。まずはロッカールームの隣にあるシャワールームで軽くシャワーを浴びてから俺は自分のロッカーに詰め込んである予備の制服に着替えていた。

今日は訓練学校の入隊式だからいつもの戦闘服という訳にはいかないという状況だったからだ。俺が着替える間に宗司は昨日から今朝にかけて入って来た報告を済ませる為に一方的に話しをしていた。

それは、いい加減な俺がほとんどまともに報告書を読まないからだ。宗司はそんな俺の為に毎朝早めに出勤して報告書の内容を把握して掻い摘んで馬鹿な俺にでもわかるように簡単に口頭で伝えて来る。

その報告という作業は宗司の仕事の日課みたいなもので大戦時に宗司が俺のバディに決まってからずっと絶える事なく行われている。

相変わらず、几帳面な奴だな…

そんな事を考えながら、いい加減な俺が仕事に支障をきたさないようにと真面目に報告を続ける宗司を俺は眺めていた。今日は大した報告はなかったが宗司は不機嫌な顔のまま

『最後に、何故かうちの隊長殿が深夜に病院に現れたと報告が来ていますが、何か言う事はありますか?』

と綺麗な切れ目長な目で俺を睨んでいた。俺が病院でIDを出し所轄を呼んだ報告は当然のように軍に報告が上がっている。だけどリナについては一般市民で患者の守秘義務があるから報告はされていない。

更に、俺が戦闘服のまま出勤した挙句に朝からシャワーまで使ったのだから俺の事にはやたらと目ざとい宗司は俺が夕べは家に帰らなかったと悟った上で俺を責めるような顔を宗司が続けていた。俺は宗司に

『なんもないぞ。俺は至って健康だしな。』

といつも通りにふざけるように答えていた。ふざける俺が気に入らない宗司は俺を睨んだまま、だらしなく絞めていた俺の制服のネクタイを俺の首が絞まりそうな勢いで絞めて来た。

マジで怒ってやがる…

こういう時の宗司には俺はあまり逆らえない。そう思い一瞬、宗司に観念した俺だったが、真面目に答えなかった俺に宗司が少し拗ねたように

『でも、明らかに寝不足ですよね?夕べはちゃんと帰らなかったようですし…。』

と言って来た。
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