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堕天使 1st gig.
第14章 解決
新たに設立された特別捜査部隊はかなり険悪な状況だった。まずは警察のエリートキャリア達が俺達軍人に不満が山ほどあるらしく、満足な報告書すら出さないまま、6件目のが発生すると思われる当日が来てしまった。

俺は6件目の阻止なんぞ不可能だと開き直り、いつものように宗司とのんびりコーヒーを呑むだけだった。そんな俺に対し、キャリア警官達が

『警戒態勢を敷き、少しでも6件目阻止に向けて活動するのが、この部隊ではないのですか?』

と嫌味を言って来た。俺は

『だったら戒厳令でも敷くか?全国規模の戒厳令発動なら歴史に名を残せるぞ。』

とふざけていた。ジタバタしたところでどうにもならない以上、俺は緊急に動ける体制だけを考える。それ以上を望むなら捜査のプロである警察がやるべき事をやればいいと俺は思っていた。

キャリア達は話しにならないと俺達の本部を飛び出していた。大塚は

『やれやれ…。若い奴は辛抱が足らんな。』

と俺に向けてなのかキャリアに向けてなのかわからない嫌味を言っていた。

だが、昼過ぎに1本の軍の特殊通信が来て俺達の状況が変わっていた。今回は関東のやはり首都圏とは外れた田舎町だった。

そこの大学病院である男が爆発物を晒し、未だ爆破には至っていないが緊急避難が始まっているという通報だった。俺はその通信に向けて

『現地の対テロに手を出すなと伝えろ。所轄にも、封鎖と避難以外はさせるな。』

と指示を出し、宗司に

『現地に飛ぶ手配をしろ。』

と言っていた。車だと3時間はかかってしまうが輸送機なら30分だ。軍の飛行場からなら現場まで30分。この1時間、とにかく自爆せずに耐えてくれ!とばかり俺は考えて装備を付けてから本部を飛び出していた。

キャリア達を待っている時間がないから俺は大塚と井上だけを連れて現場に向かっていた。輸送機に大塚は平然としていたが井上はゲロを吐き、使い物にならなくなっていた。

現場の邪魔はするなと警察側に言っていたがその心配は無さそうだと俺は肝心な時にいないキャリア達と移動で潰れる井上に呆れていた。
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