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堕天使 1st gig.
第15章 温泉
翌日はリナが山ほど土産物を買ってから家に帰っていた。帰ってからもリナは洗濯だなんだと動き回り、夕方になると

『焼き鳥屋さんに行くよ。』

と張り切って土産物を持って家を出ていた。俺が知らない間に何故かリナが小雪や雄太に土産があるから焼き鳥屋に集合とメッセージを送ったらしい。

軍人に招集をかける女って…

やはりリナは普通じゃないと俺の育て方は間違っていたのかと不安になる。そんな俺にお構い無しのリナはご機嫌で焼き鳥屋に向かっていた。

リナはちゃっかり五十嵐にまでメッセージを入れていて、俺は焼き鳥屋にやって来た五十嵐に

『わざわざ土産物の為に来んなよ。』

と言ってやる。五十嵐はニヤニヤしながら

『なんか知らんがバレンタインデーだから土産があるとか言ってお前さんの女が連絡して来たんだぞ。』

と俺に言い返していた。リナの初めてのバレンタインデーは義理チョコならぬ義理温泉まんじゅうを皆に配るというものだった。

涼宮の分まで雄太に預けたご機嫌のリナを見て雄太が

『隊長だけ温泉とかずるいっす。』

と俺にじゃれて来るから俺は

『リナに好きなとこ連れてってやるって言っちまったんだ。』

と雄太を引き剥がしていた。宗司はクスクス笑いながら

『確かに、今回みたいな休暇じゃないと温泉なんか行けませんからね。』

とリナの意見が正しいと俺に言って来た。そうやってなんだかんだと俺以外にも甘やかされているリナだから、俺1人がリナを守ると気負う必要はないんだとか俺は思っていた。

小雪はリナとじゃれ合い、ハヤトは黙ってそれを見ていた。久しぶりのまともな休暇に誰もがご機嫌ではしゃいでいた。

皆と別れて家にリナと帰る道、いつものようにリナが俺の手にじゃれて

『休暇は明日まで?』

と聞いて来る。俺が

『明日までだ。』

と答えるとリナはニンマリと笑って

『じゃあ、明日は散髪に行って、お昼はこの前のイタリアン、それから映画見てショッピング!』

と俺の休暇を目一杯占領するつもりを言って来た。
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