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堕天使 1st gig.
第20章 花火
翌日、リナが好きな店で宗司達と待ち合わせだったのでリナを連れて行ったが、やはりリナは店に着くなりトイレに駆け込んでいた。俺は彩華さんに

『あれって普通か?』

と聞いていた。彩華さんは

『つわりは個人差がありますから。』

と言っていたがリナの顔色がかなり悪く、食事もままならない状況を彩華さんも少し不安な顔で見ている状況だった。

とりあえず彩華さんはテキパキとリナに病院は軍人病院ではなく入院設備がある産婦人科専門の病院に変えるように言い、つわりに関しては安定期までだから、それまでに自分が食べられそうなものを見つけろと言っていた。彩華さんは

『吐いても構わないから食べて下さい。後はストレスは出来るだけなくすようにして下さい。』

と言ったがそれが一番の問題だった。

俺の存在が一番のストレスだから…

そう俺が思う間もやはりリナはトイレに駆け込みを繰り返し、とりあえず宗司達とは別れてコンビニでリナが好きなアイスやプリンを大量に買い込んではみたものの、リナはただ吐き戻すだけで食べ物を受け付ける事をしなくなっていた。

休暇明けには俺が帰るとリナが

『気持ち悪くて、ご飯買いに行けなかった。』

とボロボロと泣き出す有り様になっていた。俺は

『あー…、なら、俺は飯食って帰るから気にすんな。』

と少しでもリナの負担を減らそうと思って言ったつもりだったが、頭でっかちでちゃんとやらなければという思いがあるリナにはそれはそれでストレスらしく、何も出来ないと自分を責めて泣き続けるリナがいた。

俺は俺で俺の飯より、リナの飯をどうするかが問題だった。涼宮の経験を聞いたりもしたが涼宮は

『うちの嫁さん、つわりは軽かったですし、1人目はバナナで2人目はフライドポテトの食い過ぎで中毒になりかけたくらいなんで、全く食わないってパターンはわからないです。』

と真面目に困った顔で答えていた。小雪や彩華さんが協力してくれて、色々と食べやすそうなものを差し入れはしてくれたが、結局、リナはほとんどを吐き出し、吐くのに体力が奪われるという状況に陥るだけになっていた。
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