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堕天使 1st gig.
第2章 仕事
問題は苗字をどうするかという時にリナが

『苗字?』

と俺に聞いて来る。俺はリナに

『俺の場合は赤羽、他にも篠原や五十嵐とか色々と苗字があるんだ。同じ苗字で一緒に暮らしてると家族ってわかる為のもんだ。』

と適当で簡単にリナに説明する。リナは全く考える瞬間もなく

『なら、アルトと同じにする。』

と単純に言いやがる。まぁ、苗字を考えるとか面倒くさいなとか思った俺は

『リナがそれでいいならそれにしておけ。』

と言っていた。赤羽 リナ、誕生日は発見された日で4月、血液型A、それにDNA登録。そうやってリナはとりあえず住民登録されていく。

次は俺の身元引き受けの為の手続きだった。職業軍人、軍のIDに身分証明の免許証番号を書類に書き込み、更に俺に万が一があれば俺の財産をリナが引き継ぐ制約書まで書かされていた。

要するにリナが1人立ちするまでの制約書なのだが、中途半端で俺が戦死した場合、結局、リナは施設ですという状況にしない為のものだった。

書類上で確認すると、リナが結婚したり、就職して独立するまでの身元引き受けをするのが俺の役目になっていた。

後は、退院の手続きの書類を書かされ、明日、改めて俺がリナを迎えに来れば、リナは無事に退院出来ると事務局が言っていた。

全ての手続きを済ませ、俺が帰ろうとすると、やはりリナが泣きそうな顔で愚図り出した。俺はリナに

『俺が仕事の時は1人でちゃんとする約束だ。』

と言ってやる。半泣きのままでリナは

『ちゃんとしたら明日もアルトに会える?』

と聞いて来る。だが、その約束を俺は出来ない事に気がついた。明日、必ず迎えに来ると俺が単純に言ってやればリナが納得するのはわかっていた。

だけど、明日の保証が出来ない俺は俺が帰った後に不安でリナが泣くのがわかっていて

『ちゃんと自分の事は自分でしろよ。』

とだけ言ってリナを突き放すように病室を出て帰っていた。既に引き取る手続きを済ませているのに、俺は自分の往生際の悪さに呆れていた。
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