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堕天使 1st gig.
第23章 龍大兄
師走…、坊主が走り、軍人も走り回る季節。サミットで軍縮を歌ったのも虚しく、再びテロ国が活発化し、大国ではメイン空港をまるごと破壊され、日本じゃ地方だが、軍事産業系ビルがまるごと破壊される同時テロが発生した。

諸外国も何箇所かやられ、軍縮どころか拡張すべきの意見が上がる中、これ以上の情報負けは許す訳にはいかないと、毎度同じみのテロ組織壊滅作戦任務が俺に降りていた。

しかも、この任務は今月はこれが2週連続目と来ているから俺達は少しピリピリとした状況だった。

何故なら、この壊滅作戦、明らかに軍の上層部が焦って指示を出したと思われる節があり、前回は大隊規模で望んだ挙げ句、アジトにゃせいぜい5、6人のテロリストとなけなしの武器がある程度のアジトに全部隊が大袈裟に突入するという無様な失態をやらかしたばかりの状況だった。

昼休みの食堂で俺は五十嵐に

『今回は大丈夫なんだろうな?』

と確認するが五十嵐は

『多分、空振りの覚悟はしてくれ。』

と言って来る。五十嵐曰く、上層部は3ヶ月前の情報を今更使って作戦を立てているとか言うのだ。俺は呆れて

『なんでそんな事になってんだよ?』

と叫んでみるが、五十嵐は

『結局、あのサミットがテロを煽った結果にしかならんかったという事だ。サミットからこっち、一気に組織が分散して、本体が雲隠れしちまったから俺は上層部に待つようにと要請したんだが、世論と政府の手前、なんでもいいから上げてしまえと上層部は躍起になってやがんだ。』

とため息をついていた。五十嵐は最近徹夜でまともに帰っていないと小雪が言っていた。

仕方なく、小雪は今、五十嵐と半同棲状況で、五十嵐の着替えなどを小雪が届けているらしい。

俺は五十嵐に

『出来るだけ生け捕りにして情報集め出来るようにしてやるから、少しは寝ろよ。』

と言って食堂を出ていた。五十嵐は

『頼んだ。』

と力なく笑っていた。

今夜の任務が終われば次はクリスマス警邏…

リナがピリピリする中、俺はそんな日々が続いている。
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