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堕天使 1st gig.
第24章 出産
忘年会…、と言ってもいつもの馴染みの焼き鳥屋だが、やはり人数が増えた分俺は焼き鳥屋の大将に

『悪いね。』

と言ってしまう。大将の三兄弟は元々が軍属で大戦終了から店を始めた人だから

『来年からは年末だけ予約してくれればいいよ。』

と笑っていた。今年は涼宮家族も来て、彩華さんも増えたから店の半分を俺らが占領している状況だ。

五十嵐は

『お前さんの事だから、多分、まだまだ人数が増えるよな。』

と呑気に笑うが宗司が

『仕事で増やせると良いのですが…。』

と俺に嫌味を言っていた。結局、今期の訓練兵を俺は全てダメ出しをして、上層部への報告書に

『叩き上げエリートって割には使えない。』

と報告をしたからだった。だから、今期の訓練兵は間違いなく全員が海外派兵送りになり、実戦経験を積ませてからの配属判断になる状況だ。

しかも、今年で軍は最後だからと瑠衣を雄太が誘ったからリナが瑠衣に警戒してピリピリとしているから俺には針のむしろに近い忘年会だ。

既に結婚した瑠衣はリナに

『もう…、アルトには何も言う事は無いわよ?』

と言うが既に妊娠しているリナが

『アルトは元々、今更、話しなんかないって言ってました。』

と膨れっ面だ。過去がないリナは俺の過去が出て来ると妙に警戒してピリピリとする節がある。俺はリナに

『昔話はどうでもいい。カリカリしてたら腹ん中で子供が泣くぞ。』

と言ってやる。彩華さんが

『お母さんの気持ちは子供に影響するから、確かにそれは言えてます。』

と医者らしい意見を言ったからリナも少しは瑠衣に警戒を解いていた。

ただ可哀想な存在だったのは大地だけだ。やっと1人前の扱いになり、上等兵から少尉へと昇級した大地だが、やはり新兵には変わりなく、散らかったテーブルを大地に片付けながら、涼宮の子供に遊ばれた挙げ句に雄太やハヤトから

『大地、ビールと焼き鳥のお代わり取って来い。』

と店の従業員代わりに顎で使われていた。年に1度だけの馬鹿騒ぎに俺は

来年は俺は本当に大丈夫なのか?

と自分の大家族に不安を持ってしまっていた。
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