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堕天使 1st gig.
第25章 始末書
それから、3日間何もなかった。あまりに何もなく俺は1人という時間がとてつもなく長い時間に感じてイライラし始めていた。

仕事すらやる事が何もなく暇でただ自分のデスクで鉛筆をイライラと回していた俺に宗司がいつもの涼し気な顔で俺に

『今日、帰って来るんですから落ち着いて下さい。』

とだけ言っていた。今日からリナが帰って来て3人の生活に変わるのだとは思うのだが、元来、身体で経験しないと頭で理解が出来ない俺は切り替えというものが上手く出来ない。

ただ、長く感じる時間をどうやって潰すのかがわからない俺は今の状況が嫌で、とりあえず宗司に

『最近、ハーメルンって奴はどうなったんだ?』

と聞いてみた。宗司は

『市兵の導入、子供の保護からは被害は1件も出ていませんが、市兵をいつまで警邏に回すのかが次の問題になってますね。』

と答えて来た。確かに市兵の警邏のお陰でテロの発生も全くなく、犯罪率や事故率も減少していると至れり尽くせりの状況ではあるが、街中を毎日市兵がウロウロとしているのは、それはそれでやはり問題が発生する。

早急の事件解決を目指し、市兵の警邏解除が望ましい状況だが、大塚の方は相変わらずの手詰まりの状況のようだった。

あまりにイライラとする俺に今日は夕方になると同時に宗司が

『さっさと今日は帰って下さい。』

とか言って来た。俺は一応落ち着いたフリだけをして

『なら帰ってやるよ。』

と言って本部を出ていた。家に帰ると子供を抱いたリナがまるでそれが当たり前のように俺に向かって

『おかえり。』

と言って来た。

それは俺が言う台詞…

そう思ったがリナがそれが自然で当たり前なんだと言っているような気がした俺は

『ただいま。』

とリナに答えてキスしていた。たったそれだけの事なのだが、俺はやっと自分が居るべき場所に居ると感じて落ち着いていた。

リナが俺に

『抱いてみる?』

と美優を差し出して来たが、俺の片手くらいしかない美優に俺は潰すんじゃないかと尻込みする羽目になっていた。
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