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堕天使 1st gig.
第28章 謝罪
この大国からの決定に慌てたのは日本の軍の上層部だった。当然だが、優秀な兵士は皆が海外派兵中であり、とてもじゃないが演習なんてくだらない事の為に演習先の海外に派兵のし直しなどしてられない。

そこで軍が考えたシナリオは

上が適当だとしても中間職をそれなりに使える奴を入れておけば、恥をかくことはないだろう…

というシナリオだった。だから、今回の全指揮権を取る大将は大戦時代にそれなりに名を馳せた大将だが、その下の中将から大佐までの指揮官はどうでもいいようなメンバーばかりで構成され、中佐、少佐クラスに初めて見覚えのある名前が出て来る名簿編成になっていた。

誰が俺を推薦したのか知らねぇけど…、冗談じゃねぇよ…

と俺は言いたい状況だった。しかも大佐辺りには昔俺が殴り飛ばした覚えがある名前が載っているとか、最悪の人選の演習に俺は任務だから行って来いと言われている状況だった。

『俺の代わりは?』

『地方の松原少佐が副官込みで来てくれる。』

『つまり、俺の副官も演習参加ですか?』

『まずは司令書をよく読め。とてもじゃないがそんなお前さんを篠原無しでは国外になんぞ出せん。』

と親父さんが笑っていた。

だったら、宗司だけを演習に行かせろよ…

そう俺はまだふてくされていたが、親父さんが

『まぁ、行って来い。どうせお前さんのことだから新婚旅行もなかったんだろうし、リナさんだって喜ぶはずだぞ。』

と言い出した。

『んあ!?』

と再び驚愕する俺に呆れた親父さんは

『だから、司令書をちゃんと読めと言っとるんだ。指揮官クラス以上は婦人同伴とちゃんと明記されとるだろうが。』

と言って来た。俺は手に握っていた司令書を読み返し

『嘘だろ…。』

と言っていた。下級指揮官とはいえ、俺は指揮官には違いなく司令書にはしっかりと婦人同伴の文字が書いてあった。親父さんは

『下がって良し…。』

と項垂れた俺に言っていた。俺はこれ以上の抗議を諦めて親父さんのオフィスから出る事になっていた。

2課の部屋に戻った俺はその後はしばらく自分のデスクでひたすら唸る羽目になっていた。
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