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堕天使 1st gig.
第29章 希望
冗談じゃねぇよ…
俺は唸りながら演習任務の司令書を睨み続けていた。睨んだところでこの任務が消える訳じゃないが、演習先の国が破壊されればいいのにとか考えてしまうほどに俺はとにかく演習嫌いだ。
そんな俺に雄太が
『夏の最後に楽園って呼ばれる島でのバカンス演習でしょ?なんでそんなに嫌なんすか?』
と聞いて来る。宗司が
『初めての演習が最悪死ぬかもって演習だったからですよ。』
とクスクスと笑いながら興味深々の雄太や大地、小雪やハヤトに話し始めてしまっていた。
あれは、世界大戦が終わり、海外派兵の編成を決める為の大型演習だった。
参加国は五ヶ国、場所は真冬に極寒の山奥にある巨大な森林地帯だ。各国が一個師団を選出して生き残り戦をやるという内容の演習だった。
俺達兵士には電子マーカーが装着され、ビーコンで衛星からGPSにより移動先や敵と遭遇した場合の陣形などがお偉方が監視するモニタールームに映し出されて戦死や負傷などが知らされる。
森林地帯の最終ターゲットポイントにいち早く着き、そこに防衛ラインを引いた国が勝ちとなるのだが、ターゲットポイントまでの行軍で敵と遭遇する確率はかなり高く、そこで相手の数をどれだけ減らせるかも重要なポイントになる演習だった。
森林地帯という悪条件、作戦会議では上の指揮官の誰もが分散しての行軍をと言う中、俺だけが
『まとまった行軍の方がいい。』
と言っていた。
『森林地帯でまとまってたら動きが鈍くなる上、発見されやすくなる。』
『だが、迂闊にバラケたら味方の位置の把握が難しく、少人数で敵大多数に遭遇すれば応援すら呼ぶ事が難しくなるだけだ。』
『本部のナビゲーターは衛星管理だから、その心配はない。』
『実戦にナビゲーターなんかアテにならん。』
『これは演習なのだよ。』
そんな流れで俺の意見は通用する事なく、ただでさえ迷子になりそうな森林地帯をいち早くターゲットポイントに到着するという理由で夜の行軍までもが強いられた状況だった。
俺は唸りながら演習任務の司令書を睨み続けていた。睨んだところでこの任務が消える訳じゃないが、演習先の国が破壊されればいいのにとか考えてしまうほどに俺はとにかく演習嫌いだ。
そんな俺に雄太が
『夏の最後に楽園って呼ばれる島でのバカンス演習でしょ?なんでそんなに嫌なんすか?』
と聞いて来る。宗司が
『初めての演習が最悪死ぬかもって演習だったからですよ。』
とクスクスと笑いながら興味深々の雄太や大地、小雪やハヤトに話し始めてしまっていた。
あれは、世界大戦が終わり、海外派兵の編成を決める為の大型演習だった。
参加国は五ヶ国、場所は真冬に極寒の山奥にある巨大な森林地帯だ。各国が一個師団を選出して生き残り戦をやるという内容の演習だった。
俺達兵士には電子マーカーが装着され、ビーコンで衛星からGPSにより移動先や敵と遭遇した場合の陣形などがお偉方が監視するモニタールームに映し出されて戦死や負傷などが知らされる。
森林地帯の最終ターゲットポイントにいち早く着き、そこに防衛ラインを引いた国が勝ちとなるのだが、ターゲットポイントまでの行軍で敵と遭遇する確率はかなり高く、そこで相手の数をどれだけ減らせるかも重要なポイントになる演習だった。
森林地帯という悪条件、作戦会議では上の指揮官の誰もが分散しての行軍をと言う中、俺だけが
『まとまった行軍の方がいい。』
と言っていた。
『森林地帯でまとまってたら動きが鈍くなる上、発見されやすくなる。』
『だが、迂闊にバラケたら味方の位置の把握が難しく、少人数で敵大多数に遭遇すれば応援すら呼ぶ事が難しくなるだけだ。』
『本部のナビゲーターは衛星管理だから、その心配はない。』
『実戦にナビゲーターなんかアテにならん。』
『これは演習なのだよ。』
そんな流れで俺の意見は通用する事なく、ただでさえ迷子になりそうな森林地帯をいち早くターゲットポイントに到着するという理由で夜の行軍までもが強いられた状況だった。