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堕天使 1st gig.
第29章 希望
気温はマイナス10度近い極寒で右左の感覚すら失いそうな森の中の夜の行軍…。

実戦じゃ、絶対にお断りの作戦を

演習だから…

の一言で片付けようとする指揮官達の発想が俺は気に入らずにイライラとするだけだった。

行軍開始から1時間、俺はその時はまだ分隊長レベルの指揮官だった。だが、雪がチラつき始めるのを確認した俺は小隊を半分に分散した小隊長に

『ビバークを要請する。』

と無線を飛ばしていた。小隊長は俺を鼻で笑うように

『噂の「跳ねっ返り」は寒さに弱いらしい。』

と返答して来た。

言うだけ無駄だ…

そう判断した俺は自分の分隊だけに

『ビバークする。』

と言っていた。つまり、行軍を止め、ここでテントを張り暖を取って野宿すると指示を出したのだ。当然分隊からは

『それは本体から遅れを取る事になり、我々は孤立し、敵遭遇の際、危険が伴います。』

と意見が出た。

確かに本体とは孤立する。だが、危険な状況は行軍を続けても同じ事だ。今ならスタートラインだから、敵遭遇の可能性は極めて確率が低い。

行軍すれば、危険な状況に敵遭遇の確率が上がりリスクが増えるだけだ。それをいちいち下士官に説明が面倒だと思った俺は

『それがどうした?お前らは俺の命令にだけ従ってろ。嫌ならお前が俺の上官になればいいだけだ。』

と答えていた。宗司だけが黙ったまま俺の命令に従っていた。隊長と副官がビバークと決めた以上、下士官に逆らう権利はなく、逆らえば命令不服従の刑罰がある軍だから、俺の演習用の仮隊員達は

『最悪の指揮官だ。』

と悪態をついてビバークの準備に入っていた。

俺と同行していた他の分隊は後2つ、1つは

『ビバークの方がいいと判断したのか?』

と俺に聞いて来たから俺は

『多分な。』

と答えていた。そいつは

『なら、そっちの判断に乗ってやる。』

と笑って俺達の傍でビバークを始めていた。それが今の地方対テロの松原だった。

もう1つの分隊長は黙ったまま行軍を続けて本体との合流だけを目指すと立ち去っていた。
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