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堕天使 1st gig.
第33章 台風
そんなくだらない秋の夜長を騒ぎ、休暇明けのいつもの昼休みの時だった。今日はいつものが五十嵐が居ないとか思っていた俺だったが、俺が飯を食い終わる頃にはやはり五十嵐が現れた。

だが、その瞬間、俺は五十嵐から逃げようとか思っていた。五十嵐がよりによって羽賀と食堂に来たからだ。

秋の台風…

まさにそんな状況だった。何故なら五十嵐は羽賀と怒鳴り合いながら食堂に入って来るなり、それがまるで当たり前のように俺の前へと座って来た。

『だから、なんべん言えばわかるんだ!』

『五十嵐は五十嵐でしょ?赤羽は違うかもしれないじゃない?』

『それだけは絶対にない。』

『だから、本人に聞くって言ってんのよ。』

『赤羽にはそういうのが迷惑だから俺は止めろと言っている。』

『この問題は五十嵐には関係ないんだから黙ってて、そもそも今は私が上官で五十嵐に口を出す権利はないわ。』

そうやってギャーギャーと2人がやり合う中、俺は逃げようとか思っていたが宗司が俺の前と五十嵐達の前にコーヒーを置き、この騒ぎを雄太や小雪が見物に来るという状況で俺は逃げるに逃げられなくなったまま、仕方がなしに五十嵐に

『一体、俺がなんなんだ?』

と聞いていた。五十嵐が何かを答えようとした瞬間、羽賀が俺に向かって

『対テロの隊長を私に譲ってよ。赤羽には安全な防衛中隊隊長って昇進の道があるんだから。』

と言って来た。五十嵐は

『その話しならもう終わったはずだ。軍はその防衛隊長をお前さんにやらすと決めたからお前さんは既に中佐に昇進したんだろうが!』

と羽賀を怒鳴りつけていた。だが羽賀は

『私が望んだポジションじゃないもの。』

と五十嵐に対して居直っていた。宗司が俺に

『どういう事ですか?』

と聞いて来たが俺は答えられず、五十嵐がかなり険しい顔で

『いい加減にしろ…、美姫。誰もがお前さんの言いなりにはならんし、誰もが守りたいものがある以上、そのポジションを守ろうとするんだ。赤羽はそのポジションをお前さんに譲る気はない!』

と羽賀に言い切っていた。
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