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堕天使 1st gig.
第33章 台風
羽賀は一瞬、怒りに顔を歪め、軍No.1美女故の迫力のある顔のまま

『なら、その軍に理解させてやるわ。赤羽より私が対テロに役に立つって事をね。』

そう言って五十嵐に啖呵をきった羽賀は食堂から出て行き、五十嵐は

『悪かったな。』

と言ってやはり食堂を出て行った。後に残された俺に宗司が

『説明して頂けますよね?』

と言って来た。俺は

『今、羽賀が居る防衛隊長を俺にって話しが出たんだ。だけど、条件が俺だけだったから俺は断った。だから、俺の代わりに羽賀が選ばれたらしいが羽賀の目当ては俺の後の対テロの隊長だったらしい。』

と説明をしていた。雄太が

『もしかして、隊長は昇進のチャンスを俺らの為に断ったの?』

と聞いて来た。俺は

『そうじゃない。俺はお前らが居ないとダメなんだ。だから、お前らと移動の一緒に条件なら俺は喜んで移動してたぞ。』

と答えていた。雄太は

『だから、隊長を愛してるよ♡』

とふざけて俺にじゃれていた。小雪は

『なんだ。つまんない話し。あの女、ちょっとおかしいの?』

と笑っていた。誰も引き受けたがらないポジションにこだわる羽賀を雄太達は変わった女だという程度の認識しかしない話しだった。

だが、問題はその後だった。俺が家に帰り、いつも通りに美優を風呂に入れ、飯を食おうとした時、それまでは普通だったリナが

『私に話す事はないの?』

と言い出した。瞬間、俺は

しまった…

と思っていた。小雪にすれば俺が昇進を蹴った話しは大した事ではなく、リナも当然知っているものだとしてリナに話しをしたようだった。

小雪を口止めすべきだった。いや、口止めすれば、俺が後ろめたいのかとますます話しはややこしくなるはずだ。

そんな事を考えながら俺はリナに

『終わった話しだからな。リナは俺が決めた判断に反対だったのか?』

と聞いていた。リナはただ寂しそうに俺を見て

『違うよ…。アルトの判断は正しかった。私だって小雪ちゃんや雄太達の居ない部隊への移動は反対だよ。だけどね…、アルトは私を信用してくれてないって事ははっきりわかったよ。』

と言ってそのまま寝室へと立ち去ってしまっていた。
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