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堕天使 1st gig.
第33章 台風
ただ、ひたすら俺は後悔した。俺が馬鹿だから、リナに信用されずに俺が責められるのは構わない。だけど俺がリナを信用していないとリナに感じさせてしまった自分に俺は本当に馬鹿だと後悔した。

お座りしていた美優が俺の足元で

『いー…。』

と情けない声でリナを呼んでいた。俺は美優を抱き上げて

『父さんが馬鹿だから、母さんが呆れて寝ちまった。だからお前もそろそろ寝ろよ。』

そう言って寝室の美優のベビーベッドに美優を運んでやっていた。リナは頭から布団を被り、俺は多分、凄くリナを傷つけて泣かせたんだと理解した。

今更、俺が後悔してもこの状況が変わる訳じゃなく、翌日から一応リナは普通だったが、俺が仕事に出る時は何故かリナは顔を伏せて

『いってらっしゃい。』

と言い、俺が今に帰ると俺からは目を逸らしたまま

『今日は美優が予防接種だったからお風呂は要らないからね…。』

と言っていた。それは俺がリナを信用していないというより、俺がリナの信用を失ったように感じてしまった。

俺が謝れば済む事なのかもしれないが謝ればリナを俺が信用している事に繋がるのかがわからない俺はリナ対してどうしてやればいいのかがわからないままだった。

自分ではちゃんとリナを信用しているつもりで俺は気持ちのどこかでリナを信用していなくて、バレなければいいとかダメな考え方をしてリナを傷つけたんだと1人で考え込んで落ち込んでいた。

小雪が

『小雪からリナちゃんに話そうか?小雪が迂闊に話したから小雪が悪いんだし…。』

と俺に言って来たが俺は

『いや、俺が悪いからいい。俺が自分でなんとかリナに伝えるよ。』

と笑っていた。

だけど俺はやっぱり頭が悪くてリナにどうやって伝えればいいのかがわからないままだった。

リナを信用していない訳じゃなく、ただこれ以上リナに辛い思いをさせるのが怖かっただけだった。知らなければリナが辛い思いをしなくていいとか俺は自分のエゴをリナに押し付けて、逆にリナの信用を失ったんだとか思っていた。
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