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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
俺の無関心、無頓着が何故かストイックという言葉にすり変わり、気に入らなきゃ上官を殴り飛ばしてでも自分のやり方を強引に押し通すという俺のやり方が完璧という言葉にすり変わっていやがる。

そうやって勝手に美化されて勝手に憧れにされている俺は大地に

『俺はそんな大層な存在じゃねぇよ。』

と言ってやる。大地は

『人の評価ってそういうものです。結果を出した人間が全てです。だから俺は結果を出せる側になりたいんです…。』

と言っていた。だから、休みであっても大地は1人で走るらしい。そんな大地に俺はあくまでも教官として

『限界まで走る必要はない。結果ってのは出さなければならないタイミングだけに出せれば、後はどんなに適当でも人は勝手に評価するもんだ。』

と言って立ち上がり本部に帰ろうとしていた。大地は俺の背中に

『ありがとうございます。』

と言っていた。大地が俺に礼を言うにはまだ早い。大地の1年の特別訓練はまだ始まったばかりだった。

俺とリナの生活も始まったばかりで、結果は出す必要がある時に出せればいい。その時の俺に対する評価はリナがする事であって俺は自分がリナにしてやれる事だけをするだけだ。

学校からの地下通路を本部へと抜けると廊下の入り口で宗司が俺を待っていた。

『そろそろ夕食に行きますよ。』

と涼しい顔で宗司が言う。大地のように焦ってジタバタしないと決めた俺はふざけて宗司に

『焼肉が食いてぇ…。』

と言ってみる。宗司は呆れて

『軍の食堂にそんなものありません。』

と言っていた。そんな宗司の首を掴んで俺は宗司の頬にキスしてやる。

『いきなり何するんですか?』

顔色一つ変えずに宗司が俺に言う。俺は笑って宗司に

『ご褒美だよ。』

と言っていた。

食堂じゃ雄太もハヤトも居た。当然のように五十嵐も居て、はみ出し者がじゃれて暴れて騒ぎながら飯を食う。五十嵐が不思議そうに

『寝たら機嫌がいいんだな?』

と俺に言い、宗司が涼しい顔で

『子供ですから…。』

と答えやがる。そのまま男ばかりの団体で食堂を出てシャワーを浴びると皆が適当に

『お疲れ~。』

と言って各自の仮眠室に向かっていた。
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