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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
なんでかとか理由までは俺自身にもさっぱりわからない。ただ、もし今、小雪を抱いたら帰ってからリナに合わせる顔がない自分が理解出来るだけだった。

だから俺の勝手な言い草かもしれないが俺は小雪とケジメを付けると決めていた。俺は珍しく真面目に小雪に対して

『理由とかなく、もう小雪とは寝ない。だからお前はそろそろちゃんとした彼氏を探せ。』

と言っていた。俺の言葉に小雪の顔が歪み、一瞬、小雪が泣いたような気が俺はした。だが小雪はすぐに俺から背を向けて

『欲求不満で後悔しても、もう知らないからね。』

と強気な言葉を残して仮眠室から出て行った。後悔なら今までにも死ぬほどして来た俺は今更新しい後悔が増えても大差はないとなんとなく笑っていた。

朝になると宗司が俺を起こしに来た。いつものように朝の報告を寝ぼけ気味の俺の為にコーヒーを入れながら、宗司が続けていた。

『昨日のテロはやはり貧困が動機ですね。それ以外の情報は大して持っていなかったから情報部は期待外れだったようです。』

と宗司が俺に言って来る。俺は宗司にテロに対する嫌味を込めて

『次はあの痩せた女を返せとテロが起きるだけだ。』

とこの終わらないイタチごっこを言ってやる。真面目な宗司は

『テロが起きればまた取り押さえるだけですよ。』

といつもの涼し気な顔でテロを鼻で笑うように言っていた。ようやく8時になり政府発表で軍が強いた戒厳令が解除されていた。

それから1時間ほどで比較的テロが少ない地方から俺達の交代要員がやって来て俺らは2日間の休暇に入る事になった。

毎回、休暇に興奮する雄太が俺にじゃれて来て

『隊長、遊びに行こうよ。』

と言って来る。俺は雄太に

『先約があるんだよ。』

と言ってやる。雄太は大袈裟に

『隊長は最近、付き合いが悪いっす!んじゃ、小雪ちゃんは?』

と俺に言ってから小雪にも聞いていた。小雪はモロに不機嫌な顔で俺を睨み

『小雪は疲れたから帰るよ…。』

と2課の部屋から出て行った。雄太は諦めてガックリと肩を落とし

『じゃあ、俺も帰る…。』

と俺から離れていた。宗司が俺に

『先約って?』

と小雪のように不機嫌な顔で聞いて来る。俺は少し慌てて宗司に

『明日、いつもの店でな。』

とだけ言って2課の部屋を飛び出していた。
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