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第4章 苛立ち

洗濯をしてみてわかったのは、リナの着替えが全く足りないという事だ。テーブルも必要だし、何よりもまず携帯端末をリナに与える必要がある。

だから明日は丸１日買い物になりそうだとか俺が考えていると、俺がまた居なくなるかもしれないとまだ疑っているのか、髪からまだ雫が垂れたままのリナが慌てるように風呂から出て来ていた。

『ちゃんと拭いてから出て来ないとダメだろが。』

俺はリナを捕まえてからリナの頭を拭いてやる。リナは呑気に

『アルト、お風呂は気持ちいいねぇ。』

と俺に頭を拭かせながら随分ご機嫌になっていた。

『俺に頭を拭かせて、お前はどっかの王族かよ。』

そう俺が嫌味を言っても理解していないリナは全く動じない。リナの頭が拭き終わったら、丁度洗濯機が止まったからリナに手伝わせて洗濯を干していた。

洗濯が無事に済むと俺は

『そろそろコンビニに行くぞ。』

とリナを連れて家を出た。コンビニまでの短い道中にリナの綺麗になった髪がふわふわとして光にキラキラと反射するからか、銀髪、碧眼の少女を連れている軍人が珍しいのか、理由は様々だが、通り過ぎる人間が必ず俺とリナを見ていた。

リナ本人は通り過ぎる他の人間には全く興味を示さずに、ただひたすら俺の腕にじゃれるようにして歩いていた。これだけ目立つ子が何故アンノウンなのかと俺は考えずにはいられなかった。

コンビニでは、俺は今から食う飯の他にいつもは買わない保存食になりそうなカップ麺や缶詰も余分に買っていた。

万が一、また戒厳令などでリナが外に出られない時にでも飯だけは食えるようにと俺なりに必死だった。

ついでだからと俺はリナに欲しいものを聞いてみるとリナはやはりプリンを欲しがるからとりあえず俺はプリンも多めにリナに買わせていた。リナは栄養失調気味だから、少々太らせた方が良さそうだとか俺は思っていた。

家に帰り、俺はやはり膝の上でリナに飯を食わせていた。まだ昼間だったのだが、俺もやっとビールが呑めるとリナを眺めながら呑んでいた。

理解出来る事が少ないからか、それが元々の性格なのかリナは基本は大人しい。無闇にベラベラ喋る女は俺は苦手だからリナくらい大人しい方が気は楽だった。