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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
飯を食い終わり、デザートにプリンもしっかり食ったリナが

『アルト~…。』

と情けない声を出して目を擦る。着替えさせてベッドでちゃんと寝かせたいがリナの着替えはもうない状況だ。今のリナは白いトレーナーに赤系のタータンチェックのミニスカートとあの看護婦の娘のお古を着ている状況だった。

とりあえずリナにはブカブカにはなるが裸よりかはマシだろうと俺のTシャツをリナに渡してから俺は

『着替えてベッドに入れ。』

と言ってやる。リナがまた怯えた顔を俺に向けるから俺は

『2日間は一緒に居てやるって言っただろが。』

とリナの頭を撫でて言ってやる。それでもリナは着替えてベッドに入ってもずっと俺の手を離そうとはしなかった。

やっと寝付いたリナのあどけない寝顔を見て俺はリナに

『すまなかった…。』

と言っていた。リナがこの2日に渡って味わったと思われる苦痛を俺はちゃんと知っている。だからという訳じゃないが俺はリナに罪悪感を抱いていた。

俺みたいないい加減な人間が何もわからないリナを引き取るべきじゃなかったのかもしれないという罪悪感だった。それでも俺は必死に俺にしがみついて離れようとしないリナが可愛くて愛おしいと思っていた。

人に愛情を持った事がない俺が初めてリナには恋愛のそれとは異質なものかもしれないが親馬鹿的な感覚の愛情を間違いなく持っていた。

しばらく、そうやってリナの寝顔を見ているうちに俺はリナに寄り添ってベッドにもたれるようにして眠っていた。

気づくと誰かが俺の顔に触れている感覚に俺は目を覚まし、条件反射的に状況を確認していた。

俺の目の前にはふわふわとしたリナの銀色の髪が流れているのが見え、俺の頬にはリナの柔らかい唇の感触が伝わって来た。

『リナ?』

リナの不意打ちに焦ってそう聞いた俺に

『アルト、ご褒美。』

と笑顔で抱きついて来るリナが居た。キスという単語を知らないリナはキス=ご褒美だと完全に誤解しているらしい。それよりもどうやら俺はリナに抱き癖も付けてしまったようだった。
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