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堕天使 1st gig.
第4章 苛立ち
だから今夜はリナをファミレスまで連れて来た。ファミレスの店員に4人掛けのテーブルに案内されたが俺はリナを席の奥に座らせてリナの隣に座っていた。
リナはまだ飯を食うのが下手だし、こういう店での注文のやり方などを俺がリナに教える必要があるからだった。
とはいえファミレスのカラフルなメニューを見ていると人に教えるほど慣れていない俺は目がチカチカとして来やがる。元来、俺はこういう店が苦手で、メニューなんか宗司に任せっぱなしの人間だ。
とにかくリナにリナが食べたいものを選ばせようと
『この中から食べたいものを選べ。』
と俺はリナにメニューを開いて見せてやる。リナは割とすぐに
『これ…。』
と俺に言う。リナが指差したメニューはいちごパフェ…。俺はリナに
『だから、それは飯じゃない。』
と言いながら、とりあえずリナの好物はイチゴとプリンなんだと理解した。結局、リナはハンバーグとパフェを頼み俺はビールと唐揚げを頼んでいた。
食事中はリナにはナイフの使い方を教え、とにかく無事に飯を済ませていた。ファミレスでも金を払い、リナに欲しいものには全て金が必要なんだと俺は教えていた。
ファミレスの帰り道、リナはご機嫌で歩いていた。途中でリナが立ち止まり、俺に向かって
『アルト、あれ…、何…?』
と空を指差して聞いて来る。
『月だ。』
『月?』
『要は星だ。』
俺のいい加減な説明にリナはやはり不思議そうな顔をする。今夜は満月だった。
突然、蒼白く光る月に向かって銀髪を輝かせたリナが白い手を伸ばすように背伸びをした。
一瞬、俺の背筋にゾクゾクする感覚が走っていた。戦闘モードの時に時々経験する悪寒だった。誰かを失う感覚がある瞬間、俺はいつもそれを感じる。
リナは突然現れた。ならば突然消える可能性もあるという事を俺は初めて感じていた。
『リナ!』
俺は背伸びをしたリナを押さえ込むように抱えていた。リナはまた不思議そうに
『アルト?』
と俺に聞いて来る。
『リナが居なくなるかと思った。』
そう言った俺にリナが笑いながら
『どこも行かないよ。アルトと居るよ。』
そう言ってリナはいつものように俺にしがみつくように抱きついていた。そうやってリナはずっと俺の腕の中で笑っているだけだった。
リナはまだ飯を食うのが下手だし、こういう店での注文のやり方などを俺がリナに教える必要があるからだった。
とはいえファミレスのカラフルなメニューを見ていると人に教えるほど慣れていない俺は目がチカチカとして来やがる。元来、俺はこういう店が苦手で、メニューなんか宗司に任せっぱなしの人間だ。
とにかくリナにリナが食べたいものを選ばせようと
『この中から食べたいものを選べ。』
と俺はリナにメニューを開いて見せてやる。リナは割とすぐに
『これ…。』
と俺に言う。リナが指差したメニューはいちごパフェ…。俺はリナに
『だから、それは飯じゃない。』
と言いながら、とりあえずリナの好物はイチゴとプリンなんだと理解した。結局、リナはハンバーグとパフェを頼み俺はビールと唐揚げを頼んでいた。
食事中はリナにはナイフの使い方を教え、とにかく無事に飯を済ませていた。ファミレスでも金を払い、リナに欲しいものには全て金が必要なんだと俺は教えていた。
ファミレスの帰り道、リナはご機嫌で歩いていた。途中でリナが立ち止まり、俺に向かって
『アルト、あれ…、何…?』
と空を指差して聞いて来る。
『月だ。』
『月?』
『要は星だ。』
俺のいい加減な説明にリナはやはり不思議そうな顔をする。今夜は満月だった。
突然、蒼白く光る月に向かって銀髪を輝かせたリナが白い手を伸ばすように背伸びをした。
一瞬、俺の背筋にゾクゾクする感覚が走っていた。戦闘モードの時に時々経験する悪寒だった。誰かを失う感覚がある瞬間、俺はいつもそれを感じる。
リナは突然現れた。ならば突然消える可能性もあるという事を俺は初めて感じていた。
『リナ!』
俺は背伸びをしたリナを押さえ込むように抱えていた。リナはまた不思議そうに
『アルト?』
と俺に聞いて来る。
『リナが居なくなるかと思った。』
そう言った俺にリナが笑いながら
『どこも行かないよ。アルトと居るよ。』
そう言ってリナはいつものように俺にしがみつくように抱きついていた。そうやってリナはずっと俺の腕の中で笑っているだけだった。