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堕天使 1st gig.
第5章 休暇
家に帰ってからもリナはまだご機嫌でやたらとはしゃいでいた。多分、いつもより長く俺がリナと一緒に居るのが初めての事だからだ。

どうにか興奮気味のリナを風呂に入らせたが、とうとうリナの着替えがなくなった。またしてもリナは下着すら付けていないままブカブカの俺のシャツを着ているという状況だった。

それでもリナはすぐに俺に抱っこを迫って来る。リナを抱えるとモロに柔らかいリナの尻の感触が俺の手に伝わって来るからこれ以上はまずいと思った俺はリナに

『今日はさっさと寝るぞ。』

とベッドに入れて俺は床に布団を敷いて寝転がっていた。リナは

『アルトと寝る。』

と俺の布団に入りたがる。俺はリナに

『それだけはダメだから、リナはベッドに戻れ。』

と叱ってやる。リナは少し膨れっ面をして

『なんで?』

と俺に聞いて来る。

『俺が理性を無くすから。』

『理性?』

『俺がリナを襲うって事だ。』

『襲う?』

と全く会話にならない状況で俺はリナに背を向けて無理矢理に眠っていた。

今更の話しだが、俺がリナと暮らすとはそういう事を我慢する暮らしであるというわけで…、完全に子供の感覚で見ているリナだが、やはり可愛い女には間違いなく、俺はリナの為に理性で本能と戦う事になるんだと初めて理解していた。

夜中に寝苦しく感じて俺は目が覚めてしまった。背中がやたらと暖かいから振り返って確認するとリナが俺の背中に張り付いていやがった。

この野郎…

『こら!ベッドに行け!』

そう言った俺はリナが眠っているのに気がついた。寝ぼけて入って来たのか、俺が先に寝たからリナが無理矢理に入って来たのかはわからない。

ただ、無邪気な顔で俺にしがみつくように眠っているリナに俺はため息をついてから

『本気で襲うぞ…、バカタレ…。』

と言っていた。こんな事なら、かっこつけずに小雪を抱いとけば良かったかとすら思えて来た。

だけど…

だけど、俺はやはりリナが可愛くてリナにだけはまともな人間でありたいとか思ってしまう。

いい加減で、無関心、無頓着でキレやすい俺がリナにだけは普通の人間として見られたがっていた。
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