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堕天使 1st gig.
第5章 休暇
クレープを食べ終わったリナを連れて次は家具屋と携帯屋に向かっていた。

家具屋で2人用のテーブルを買うと店員が今日の夕方には配達してくれると言っていた。

携帯屋ではリナ用に携帯端末を買ってやっていた。

『アルトが居ない時にアルトと連絡出来るの?』

『仕事中は私用電話は出来ないがメッセージくらいなら確認出来る。』

そうリナに教えて携帯端末の使い方を教えてやる。まだ読み書きが出来ないリナの為に、音声認識が出来るAI搭載の機種にしてやった。

一通りの買い物が済み、帰りの車の中ではリナが自分の携帯端末に夢中になっていた。俺と連絡が取れる事とリナにとって新しい情報が色々と入って来る携帯端末にリナはかなり興奮しているようだった。

うちに帰ってからもリナはひたすら携帯端末に必死だった。お陰で何故か俺がリナの荷物を片付けてリナの洗濯物を取り込む羽目になっている。さすがに俺がリナに文句を言おうとした瞬間、リナの携帯端末が

ピーッ…ピーッ…

と悲鳴を上げた。リナが青ざめて驚愕し

『アルト!壊れた!』

と叫びやがる。

『アホか!充電切れだ。』

と俺はリナに携帯端末には充電が必要な事を教える羽目にまでなっていた。それでもリナはまだ携帯端末に夢中になり、家具屋が持って来たテーブルを設置する間もひたすら携帯端末を弄り続けていた。

たかが携帯端末だ。だけどそれまで俺にまとわりついていたリナが今は俺よりも携帯端末に夢中だ。俺は携帯端末に嫉妬に似た感情が湧いて来るからリナから携帯端末を取り上げて

『俺と携帯とどっちが大事なんだ?』

と聞いてみる。リナは笑顔のまま

『アルト!』

とそれが当たり前だと俺に抱きついて来た。やっぱりそういうリナが可愛いと思う俺はリナを抱えてリナに携帯端末を返してから

『だったらあんまり浮気すんなよ。』

とリナの頬にキスしてやる。リナは不思議そうに

『浮気?』

と聞いて来るから俺は迂闊な冗談はリナには言えないんだと悟っていた。

日が暮れ始めて俺はリナを膝に抱えたままある事を悩んでいた。リナはまだ携帯端末に夢中になっていた。俺はリナに

『夕飯だから出かけるぞ。』

と言っていた。
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