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堕天使 1st gig.
第6章 山内
深夜になり、俺は宗司から2つの報告を受けていた。1つは山内が病院で手術中に死んだという報告書、そしてもう1つは女子高生に関する報告書だった。

事件から女子高生の家は所轄により家宅捜索を受けていた。当然、女子高生の自爆テロの動機や交友関係を調べる為だ。

女子高生の部屋からは日記が発見されていた。内容は壮絶なイジメの被害が綴られた日記だったらしい。女子高生は毎日のように死にたいと書き綴っていた。

雄太が発した学校というキーワードが女子高生に一気に自爆を決意させるだけの悲惨なイジメだったと、あくまでも推測にはなるが、そう結論付けられた。

自殺願望の女子高生をテロが利用した胸糞悪い事件に山内は命を落とした。軍はそう結論を出し、俺に責任を問う事はなかった。

だが俺はしばらく自分を責め続けた。俺が油断したのは事実だった。俺が甘く考えていたから山内は死んだんだと自分を責め続けていた。

後10秒、いや、5秒でも早く退避の判断を俺がすれば山内は助かったはずだ。それよりも、自爆を決意した奴に説得なんか通用しないと俺は割り切って挑むべきだった。

割り切って、さっさとハヤトに狙撃をさせていれば…、女子高生も山内も救えたかもしれない事件に俺は自分の甘さを呪っていた。

俺はヤケクソのまま、俺に抱いてくれと言った小雪を抱いていた。山内の後に雄太のバディとして来た涼宮が所帯持ちだと知り、自分勝手な奴なのかと思った俺は涼宮に後方支援に行く気はないかと聞いていた。

そして涼宮が父親の顔をするから俺は2度と甘い考えや油断はしないと決意していた。次に犠牲を出す時は俺自身が犠牲になると覚悟を決めていた。

軍としての機密があるから全てを話すわけにはいかなかったが俺はリナに大体の話しを済ませていた。

リナは唇を震わせて、いつものようにボロボロとは泣かずに右目から一筋だけの涙を流していた。俺は左手でリナの流した涙を拭ってから

『なんでお前が泣くんだ?』

と聞いていた。俺の話しに同情したからか?俺もいつか山内のようになると理解したからか?

リナはリナの顔にあった俺の手に自分の手を重ねてから

『アルトが泣きそうな顔をしているから…。』

と呟くように答えていた。
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