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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?

 それが当然であることを思い知り、サラが小さな胸を焦がしかけた時に――。


 ちゅ、ちゅぷ――。


 その濡れた艶めかしい音は、女の唇が奏でた音色だ。

 だが、それはキスではなくて。女の舌がいやらしく絡みついているのは、紺野の差し出していた――その、しなやかな指先。

 紺野は右手の指を女の口に含ませながら、反対の左手で胸の膨らみを擦った。


「んっ……」


 それを緩やかに揉みしだきながら、薄ピンクの乳首をそっと摘み上げた刹那――女は焦れたような声を発する。

 そして、紺野は次に女の唾液でしっとりと濡れた指先を、肌の上を滑らせるようにして女の身体の深部へ――。


「う、うん……」


 それが届いたことを報せるように――女の身体が、ピクンと脈打つ。

 股の間――薄い恥毛の奥。紺野はそこまで、右手を滑り込ませていた。


「……」


 サラは経験が浅いからオンルッカーとしての在り方なんて、まだ全然わからないことだらけである。それでも数回現場を踏んで、自分なりに感じ取ったものは確かにあった。

 その一つは相手を知ろうとした時に、目撃対象への一定の同調が必要であるということ。なるべく同じように感じようとすれば、その心理に近づける気がしたからだ。

 その上で、自分の眼差しに相手が欲するもの――その深層心理をわかってあげられれば、とそんな風に思い至っている。

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