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【Onlooker】~サラが見たもの~
第1章 見るだけの、お仕事?
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
その存在感に圧倒されたとばかりに、サラはペコリとその頭を垂れてしまった。
すると――
「じゃあ、早速今日からお願いできるかしら」
「えっ……あ、いえっ。私、まだやるとは……」
「あら? たった今、よろしくお願いします、って言ったじゃないの」
「す、すみません。今のは、ちょっとした弾みで……。それに、どんなお仕事なのか、伺っていませんから。私にできることかどうかも、まだわかりませんし……」
両肩を強張らせて、サラは上目づかいに零子の反応を窺う。
その零子の方は、頬杖をつき余裕を感じさせる表情で、やはりサラのことをじっと監察している。暫く、そうしてから。
「じゃあ、訊くけれど。どんなお仕事なら、できないというの?」
「あ、いえ。多少きつい仕事でも頑張れるとは思うんです。やらなければ、生活だってできませんから。だけど……」
「だけど?」
そう聞き返されたサラはギュッと両目を閉じ、こう訊ねた。
「こちらは、いわゆる……風俗店なの、でしょうか?」