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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?
「ああ、そうそう――例のものはぁ?」
女が怠そうにそう訊ねると、まだベッドの中にいる紺野が教える。
「その引き出しの中に用意してあるよ」
女は言われたように引き出しを開け、封筒を取り出すと中身を確認した上で、それを自分のバッグにねじ込んだ。
サラの目にもチラリと見えたが、その中身は札束。それも、かなりの額のようだ。
「じゃあね。サヨナラ」
ギィ――パタン。
女はそのまま、あっさりと部屋を後にした。
その後の部屋の中は、水を打ったように静けさに包まれてしまったから。サラは気まずい思いから、必死にその口を開いた。
「あの……私はまだ居ても、よろしいのでしょうか?」
「もちろん。僕がお嬢さんと、二人きりになりたかったんだけど。もしかして、迷惑?」
「いえっ、とんでもないです!」
「そう? よかった」
紺野がそう言った時だった。
え……?
ベッドから起き上がり、サラの前に立った紺野涼。その姿は当然、一糸まとわぬ全裸であるわけで。サラは初めて、その全てを目撃してしまった。
均整のとれたその肉体は、教科書で見た『ダビデ像』のようであったけれども。それとは明らかに違う部分が、一か所だけあって――。
「あ、あの……」
サラは唖然として顔中を真っ赤に染めながらも、大きな二つの瞳でしっかりとソレを目に焼きつけた。
もう行為自体が終わてから、それなりに時間も経つというのに。イケメンさんの股間は、天を突きそうなくらいに――ビンビンに勃起したまま、だったのである。