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【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?
※ ※
仕事が入ったのは、それから三日後のことだった。
もうすぐ黒木が迎えに来る時間が迫っているのに、サラは姿見の前で難しい顔をしたまま――。
「うーん……これは、どうなの?」
そう自問して、頻りに身体を捻ると、その度にスカートがひらりと靡く。それは夏前に買ってから、一度も人前で着ていないミニワンピだ。
色や柄に左程の派手さはないものの、ノースリーブであることと。何より丈が短くて全体的に露出が高めだ。
それに加え、流石にボディコンとまではいかないが、割とタイトで身体のラインが出てしまうのも悩ましく思う。
さっきから、何度も身体を回転させスカートをヒラヒラさとせているのは、そんな拍子にパンツが見えないかチェックしているわけだが。そんなことをしてまで、着て行く服に拘るのは彼女なりの考えがあった。
黒木は昨夜の電話で「指名が入ってる」とだけ、サラに告げている。だから当然、その相手が誰なのかわかるわけもないのだが、それでも――。
――トクン。
その時のサラの心臓は、確かにそんな音を鳴らした。