この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?

「きゃっ!」
それに気づき驚き悲鳴を上げたことで、サラは一応、眠たい眼を覚ます目的は果たしてはいたが……。
自分の背後、鏡越しに見た男は、部屋で出迎えた優男とは、まるっきり違うタイプ。サラより頭一つ以上高いから、顔は下半分しか鏡には映っていないけれど。
黒のタンクトップから剥き出しにされた腕だけを見ても、まさに筋骨隆々といった様相である。
「あのっ――どなた、ですか?」
緊張を顕にしきながら、自然と胸元に手を置き身構えていた。サラは振り向き、その男に問うた。
しかし、それに答えていたのは、サラを見下ろしている坊主頭の大男ではなくて――。
「ああ、なんだ。いつの間にか、来てたんですね」
にっこりと笑う最初の優男が、部屋の方から顔を覗かせて言う。
それを聞いて――
「ええっ?」
と、素直に驚きを口にしたサラの反応は、至って普通の彼女であるのならば、致し方ないことなのだろうか。
まあ、それはともかく――と、しても。
「では、パートナーというのは、もしかして――こちらの?」
「ああ、そうだけど」
なにか、悪いかい?
と、続けて言いそうな雰囲気で、歩み寄った二人の男たちは、親密そうに互いの肩を組んでみせた。

