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【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?

「きゃっ!」


 それに気づき驚き悲鳴を上げたことで、サラは一応、眠たい眼を覚ます目的は果たしてはいたが……。

 自分の背後、鏡越しに見た男は、部屋で出迎えた優男とは、まるっきり違うタイプ。サラより頭一つ以上高いから、顔は下半分しか鏡には映っていないけれど。

 黒のタンクトップから剥き出しにされた腕だけを見ても、まさに筋骨隆々といった様相である。


「あのっ――どなた、ですか?」


 緊張を顕にしきながら、自然と胸元に手を置き身構えていた。サラは振り向き、その男に問うた。

 しかし、それに答えていたのは、サラを見下ろしている坊主頭の大男ではなくて――。


「ああ、なんだ。いつの間にか、来てたんですね」


 にっこりと笑う最初の優男が、部屋の方から顔を覗かせて言う。

 それを聞いて――


「ええっ?」


 と、素直に驚きを口にしたサラの反応は、至って普通の彼女であるのならば、致し方ないことなのだろうか。

 まあ、それはともかく――と、しても。


「では、パートナーというのは、もしかして――こちらの?」

「ああ、そうだけど」


 なにか、悪いかい?

 と、続けて言いそうな雰囲気で、歩み寄った二人の男たちは、親密そうに互いの肩を組んでみせた。

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