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【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?

 すると、坊主頭は初めてサラに対して口を開いた。


「なんだぁ? お前、見るのが仕事じゃねーのかよ」

「わ、わかっています」


 サラはそう答えたのに続いて、一旦仕切り直す意味でも、こう尋ねる。


「あの、それではですね。私は、どこからお二人を見ていたら――?」


 壁際のベッドは、今座っている場所からでは遠い。そんな意図を伝えた時に、事態は一変しようとするのだった。


「――?」


 いきなり二の腕を掴まれた。そう感じた次の瞬間には、もう――


「ええええっ!」


 掴まれた腕を強烈に引っ張られ、吹っ飛ばされた感覚。調度、プロレスでロープに飛ばされたような格好である。勢いを止めようとジタバタと両足でブレーキをかけようとするも虚しく――結果。


 ドスンッ!


「きゃあ!」


 サラは豪快にベッドの上に、倒れ込んでしまった。


「いたた……」


 マットレスに擦れた鼻の頭がひりひりと痛むけれど、今サラがもっと気にすべきことは他にあるわけであり。


「な、なにをするんですか?」


 急ぎ身体を反転させると、ベッドの上を後ずさるようにして、警戒感も顕わにサラは背中を壁につけた。

 その様子をじっくりと見ていた二人の男は、ゆっくりとした歩調でベッドの方に近寄って来ている。

 その口元に、ニヤニヤとした笑みを携えながら――。

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