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【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?

「……」


 サラは激しく叩かれるドアを見つめて、思う。

 本来ならばサラがクライアントの部屋を訪れる時には、同伴した黒木が部屋の鍵を預かっておくのが通例であり。もちろんそれは、サラたちオンルッカーの身を守るために定められたルールだった。

 しかし、この日のサラはその段取りを飛ばしてしまっている。自分がつまらない意地を張ってしまったことが、その原因だと自覚していた。

 それでもブザーの信号をキャッチして、ともかく一枚のドアを隔てた向こうには、今――黒木が来ている。きっと、なんとかしてくれるだろう。些か勝手であると承知しながらも、サラは切にそれを期待していた。

 それなのに――。


「ケッ――なんだよ、っせーなぁ!」


 そう苛立ちを顕にした、坊主頭に比して。

 優男の方は、その冷静さを微塵も失ってはいない。


「大丈夫ですよ。すぐに、静かになります」


 そう言って暫く――。ドアを叩く音が鎮まり、その代わりとして俄かに人が揉めているかのようなどよどよとした声が低く響いた。

 そして、その後は――シーン――と、部屋の外が水を打ったように鎮まってゆく。


「――!?」


 その言葉の通りになったことに唖然とし、サラが優男の顔を見ると――。


「この部屋とお隣――並びの二部屋は、ウチの事務所の所有なんだよ。主に借りた金も返せないクズどもと返済計画を『相談』するために使っているんだけど。今は念のため、隣の部屋にも仲間を待機させてあったんだ」

「じゃ、じゃあ……?」

「うん。キミを迎えに来たお友達は、今から隣の部屋で少し大人しくしてもらうことになるね。あんまり聞き訳がない場合は、ちょっと痛い目に遭うかも」

「そ、そんな……」

「もう、助けは来ないよ」


 そう言われ、サラの顔が青ざめた。


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