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【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?

 カチャカチャ――ベルトのバックルが、揺れて鳴り。

 シュッ、シュッ――小刻みなテンポで、俄かに空気が擦れた。

 そんな音たちが、サラの嫌悪感だけをどこまでも募らせてゆく。


「へ、へへへ……」

「あは、あははは……」


 二人の男が自身の下劣な欲望の形を掴み取ると、その突端をサラの方に向けて、強く早く擦り上げていた。

 その悪辣な光景が、今まさにサラの目の前に――あるのだ。


「……」


 黒くて太い幹のような、ソレと――細くて長いこけしを思わせる、ソレは。

 徐々に薄れゆく意識とぼんやりと霞のかかる視界の中――ワナワナと扱かれ、ピクピクと脈打ち、メキメキと硬く張り詰めた。

 やがてその先端から――タラリ――と、透明の液だれが糸を引く。

 それを文字通り鼻先に向けられ――


「やめ……て」


 サラは懸命に、そんな声を発した。

 呼称や機能は、同じなのだろう。けれど、この前に目撃していた『イケメンさんの猛り』とは、まるで違うと考え。それを比べることすら、愚かしく――否、比べたくないと、せめてサラはそんなことを思っていた。


 はあ……はあ……。


 男たちの息遣いが、聴覚を障る。

 このまま精神も肉体も汚されてゆくのか。それを途方もないと感じた時に、男の一人(たぶん、坊主頭のほう)の言葉が更にサラの心を蝕もうとしている。


「ハッ! またしても、いいこと――思いついたぜっ」

「ふふ……なんです?」

「確かこの女、処女だってなぁ」

「ええ……そう聞いてますが」

「だったらよ――この可愛い顔にぃ、先にぶちまけた方がぁ、処女をいただくってことで、どうだぁ!」

「アハハ……ホント、なにを言い出すかと思えば」

「乗らねえなら、別にそれでもいい。但しその時は、勝手にやらせてもらうがなぁ」

「そうは言ってませんよ。でもそれがルールなら、彼女にもう少し協力してもらいたいですね」

「へへ、じゃあ決まりな」


 そんな手前勝手な取り決めをすると、男たちは自らの肉棒を握るのとは逆の手を用い、それぞれがサラの襟元を掴んだ。そして――


 ビッ――ビリリッ!


「ああっ!」


 サラのミニワンピが、胸元から大きく裂かれていった――。

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