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【Onlooker】~サラが見たもの~
第4章 安堵させる、左手?

 もう……ダメだよ。


 サラは重さを増す瞼に逆らうのを諦め、そっと目を閉じた。

 大きく露出されてしまった胸元を隠すこともできずに。自分の手持ちの中では、まずまずのお気に入り、であったブラは。まだ一度だって男の人の目には、触れたこともなかったのに……。

 けれど今のサラは、そんなことすらどうでもいいと感じるほど。これから、酷く汚されてしまう自分を、そうなってしまうことを――もう、諦めるしかなかった。

 そうやって目を閉ざして、せめて意識を遮断してしまおう。

 しかし、その小指の先ほど僅かな想いを、それさえ――ケダモノたちは、許そうとはしなかった。


「へへ、イクぜ――俺の勝ちだなぁ!」


 その野太い声が耳についた瞬間――サラの髪の毛が、乱暴に掴まれてゆく。


「おらっ、面、かせっ!」


 グイッと引き寄せられ、否応なく目を開けた。すると、まさに眼前――


「いっ……いやぁああっ!」


 ドス黒く禍々しいケダモノの証が、下劣な淫望を叶えんとして、破裂寸前までの膨張を果たそうとしていた。

 おそらくは、洗っても落ちない汚れ、それを顔に身体に浴びようとした――その刹那。



 バリーン!



「――!?」



 絶望寸前のサラの意識が、そんな破裂音を認めていた。

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