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【Onlooker】~サラが見たもの~
第5章 アイドルの、掟(ルール)?
「だからコッチは、一旦保留にしとけよ」
「保留って……それだとさぁ。なんか私が、感じ悪くない?」
「いいだろ、別に。それにそれくらい割り切らねーと、生半可じゃねーぞ。たぶん、あのイケメンの方もな」
「俊くんは、紺野さんのこと――なにか、知ってるの?」
「いや――」
一旦言葉を切り、考えを巡らせるようにして黒木はこう続けている。
「オンルッカーの一番古い常連客で、その度に連れてくる相手(パートナー)の女が変わるって。俺が知ってるのは、それくらいだ」
「パートナーが変わる? じゃあ、この前の女(ひと)も彼女とかじゃ……?」
そう聞かれた黒木はあからさまに、顔を歪めた。
「ああ、そうだった。この前の相手は確か……あの咲花さん、だったよなぁ……」
「さいか……さん? あの女(ひと)、俊くんの知り合いなの?」
「ああ、前にボーイをしていたキャバクラのナンバーワン・キャストだ……」
黒木はそう言って、大きなため息を吐いた。
「?」
その様子を不思議そうに見つめたサラをよそに、黒木は更に話を続ける。
「まあ、そんなわけだから……その意味では、その時々に連れてる女たちにそれ程の執着はないと思うぜ」