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【Onlooker】~サラが見たもの~
第1章 見るだけの、お仕事?
「だけど、そういうところを見られたい人たちって……一体どういう気持ちなんでしょうか?」
サラは何気に、そう訪ねていた。
「サラちゃんなら、どんな風に想像するの?」
「わかりませんけど……やっぱり、特別な趣味の人なのかなって」
「つまり端的に言えば、『変態さん』って言いたいのかしら」
「ま、まあ……失礼かもしれませんけど、正直そんなイメージはあります。だってそれがお仕事になるってことは、その人たちはお金を払ってまで見せようとしてるわけで……。私には絶対に、理解できない世界です」
サラがそう言うのをじっと聞き入れ、零子はまた柔らかな微笑を浮かべた。
「そうね。そういった性的な趣向のお客さんも、確かに少なくはないのかもしれない。だけどね、決してそれだけではないのよ」
「じゃあ、他になにが……?」
「ふふ、それをこれから、サラちゃん自身で体験してもらいたいと思うの」
零子はそう告げて、スッと視線を前方に向けた。
「さあ、着いたようね」
「!」
サラは車のフロントガラスから、零子に倣うように外を眺めた。徐々に近づきつつある背の高い建物はシティホテルのようである。
どうやら其処に、本日のクライアントが待ち構えているようだが。
果たしてサラはその眼差しで、なにを見ることになるのだろうか?