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【Onlooker】~サラが見たもの~
第5章 アイドルの、掟(ルール)?
「紺野さん――一体どういうつもりで、私たちをこんなところに呼びつけたんですか!」
それまで沈黙していた長峰ひかるが、突如としてその声を荒げた。
すると、口元に微笑を浮かべたまま、紺野は言う。
「聞いてないのかい――“彼”から」
その時、ハッとして顔を合わせる、長峰ひかると栗山真司。そうしてなにやら意思疎通をした後、再び長峰ひかるはその口を開いた。
「まさか、本気で……人前で、そんなことをしろだなんて」
それは先程とは打って変わり、戸惑いを顕にした言葉である。
「……」
サラは思わずゴクリと喉を鳴らした。それは二人の様子と今の長峰ひかるの言葉から、ある程度のことを察していたからだった。
たぶん、長峰ひかると栗山真司は“只ならぬ関係”であろう、とサラは感じている。それは無言で見つめ合った時の互いの雰囲気が、それを示していた。
そうなれば、サラのすることは初めからひとつということになる。「見てもらうのは、この二人」との紺野の言葉からしても、それは既に明白だ。
すなわち、オンルッカーとして今宵サラが見届けるべきは、国民的アイドル・長峰ひかると若手俳優・栗山真司のセックス―-ということになりそうだが。
一方で、それを求める紺野涼の真意は、まだまるで不明だ。