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【Onlooker】~サラが見たもの~
第5章 アイドルの、掟(ルール)?
その紺野の言葉は、サラを当然のように困惑させてしまう。
「裁くだなんて、私は別にそんなつもりじゃ……。それに長峰さんも栗山さんも、悪いことをしたわけじゃありませんし」
だが、紺野は言う。
「確かに法を犯したわけではないだろう。でも、それだけが罪というわけではないんだよ。それは、過去のこの僕にしても然り、さ」
「でも……それだって」
「問題なのは当人の心なんだ。少なくとも彼らは、その最中に罪悪感を宿しているのだろうね。だから彼らも、迷える罪人というわけ」
「……」
確かに、長峰ひかるはルールを破っている。アイドルとしてファンのために輝き続けると決めた、おそらくは自分の心にも反しているのかもしれない。
それを罪と感じ、やはり心を痛めているのか……。サラは改めて、その間にもベッドで絡まりゆく、二つの性を見つめた。
紺野の言うように、裁くだなんて、それはやはり自分の範疇ではない。
しかし、それでも――
「私は私なりに、見つめてみます。それしかできませんから――けれど」
「ん?」
そう声を発した紺野の方を一度だけ向いて、サラは言った。
「それが悪いだなんて、やっぱり思いたくありません。長峰さんのことも……そして、紺野さんのことだって」
「……」
それを聞き、紺野の表情が――少し変わった。
が、その反応を確かめることなく、サラの眼差しはベッドの二人に戻されている。