この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第5章 アイドルの、掟(ルール)?
そこから、なんらかの意図を汲んだものだろうか――。
「待って……真司さん」
ひかるは、そう呼びかけ。
「どうか、したのか?」
毛布の中より、栗山が頭を出した。
「私たち――これで、最後なのよね」
「え?」
「どうせ別れるのなら、今日で最後にしましょう」
「いや……だって、それは……」
「二人で話し合って、そう決めたはずね」
「それは確かに……だけど、こんな場所で終わりにするのは、なんか嫌なんだ。最後なら、もっと落ち着いて、二人きりで過ごしたい」
他者の息遣いのある、この部屋はその時に相応しくない。栗山の言い分も、理解できないことではなかった。が――
「同じこと。別れの最後を飾ることに――意味なんて、ないの」
「……!」
呆然とする栗山――。
ひかるは身体を起こし、その頬を触れて、告げる。
「もっと、私だけを見て……最後なら壊れるくらいに、愛してよ」
「だけど……」
言われた栗山は、ベッドの上で初めてサラの視線を気にかけた。
しかし――
「うっ……」
よそ見した顔の、その唇を激しく、ひかるが奪っていった。