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【Onlooker】~サラが見たもの~
第1章 見るだけの、お仕事?
「ね……」
「ああ……」
やがて二人は、見つめ合い短い言葉を交わす。そして、それをきっかけとし、肩を抱き合った二人が、徐にキスをした。女の方が促したように見えた。
「!」
サラは思わず、ゴクリと喉を鳴らす。セックスはもちろんだが、こうして生で口づけを交わす大人の男女を目にするのも、これが初めて――否、従妹の結婚式に出席した時の誓いのキス以来のことになろう。
だが、あれはほんの軽く小鳥のように触れ合うキスであり、それに対し目の前の二人は――。
「んっ……ふうっ」
女の口から、吐息が漏れ出す。徐々にだが確実に、二人は深く互いの唇を貪り始めた。吸い着き舌を絡め合う艶めかしい音が、次第に室内を異空間へと変えた。
「……!」
キスを目の当たりにし、既に顔中が激しく上気しているサラ。現実の男女の場面に圧倒されながらも、ふと違和感を覚えた。初めはなにに引っかかったのかそれ自体がわからなかったが、キスに熱を帯びる二人の姿をまじまじと見つめ、やがてその訳に気がつく。
女の人の方が、激しく求めているような……?
座って身体を弄り合いながら、噛み合う様に長くキスを続ける内。背の低い位置より更に深くまでの衝突を欲するのは、明らかに女の方だった。
それを証明するように、そのまま勢いのまま女が男をベッドへ押し倒してゆく。