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第1章 見るだけの、お仕事？

　最初、サラは部屋で迎えた二人の様子から、男の身勝手な趣向に付き合わされている女性を哀れと感じた。

　それほどまでに、大人しく控え目な彼女であったはず、なのに――？　その疑問は、それまでサラの隣りで息をひそめていた、零子により明かされる。


「今日のクライアントは――彼女の方よ」

「え……？」


　意外だった。

　クライアント――すなわち、この情交を「見せる」ことを望んだのは、女性の側だったということ。

　その事実に唖然とするサラに、続けて零子は囁き伝える。


「あの二人はね。不倫カップルなの」

「不倫……って、じゃあ？」

「そう。男性の方には、妻子があるわ」

「そ、そんな……」


　それを聞き、サラは思わずその顔に不快さを顕にした。