この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?

 それで、十分なのでは、と思った。異性とキスをするのは初めてではなかったけれど、この様な高揚感は初めての時ですら覚えたものではなく――それだから。

 未だ少年という域の中に在った紺野涼は、そのキスを以って、この物語を終わらせようと考えた。その幕引きこそが、せめて潤のために――美しく、たったひとつ自分に用意できる贐(はなむけ)なのではないか、と。

 しかし、それは飽く迄も、己が想いだった。優しい思いやりに見えて、実は至極勝手だ。おそらくは何十年の猶予が与えられることに、自分自身は些かの疑問ももってはいないくせに、と……。

 そうして一体この先、幾度も恋愛を重ねることだろう。少なくとも、そうする可能性を有した、その兄の想いである。美しくあろうとすれば、それが偽りでないからこそ、哀しいほどに――軽く、感じた。

 それに比して、その妹――紺野潤の想いは、重い。時に、それは残酷なまでに……。

 たった一度きりと望み、その味を知ったからこそ、次に更に奥底までを――


「涼……もっと」

「じゅ、潤……?」


 彼女は、その舌で求めた。

 潤からの二度目のキスが、涼の瞳に映る薄暮の景色を、ぐちゃぐちゃに溶かしてゆくのを何気に感じた。同時に、互いの箍を緩めるようにして……。

/456ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ