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【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?
「これ以上の勝手は、許さんぞ」
開こうとした扉から出て来たのは、黒いスーツを身に纏った二人の屈強な男たち。それが、涼の行く手を阻んだ。
振り返り、その真意を問おうとした涼に、父は言った。
「潤を抱いたことに対し――なにか申し開きがあるなら、それだけは聞いてやろう」
「……」
厳しい目、それに射抜かれ、言葉を失った――涼。
その様を失望したように見限り、父は小さなため息の後に、こう続けた。
「先に言った通り、お前には罰を与える。当然、潤に会わせるわけにはいかない」
「待ってよ、父さん! 潤は――!?」
焦り食ってかかろうとする涼の身体を、二人の男が両脇から取り押えた。
その事態に驚きを隠せない息子に、父親は説く。
「お前が普通の兄として妹を気にかける資格と機会は、もう失われてしまったんだ」
「僕はどんな罰でも受けるよ。でも、潤には――潤の意志は、尊重してほしいんだ」
真剣にそう話した涼の言葉を受け、父は二度三度と被りを振った。
「潤がどうして手術を受けたいと言ったのか――その理由がわかるか?」
「それは……?」
「理解に苦しむことだが、どうやら産むつもりらしい。お前との子供をな……」
「――!!」
この日、一番の衝撃が――涼を襲った。