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【Onlooker】~サラが見たもの~
第7章 その関係は、曖昧?
※ ※
一夜を過ごした部屋を、サラは軽い足取りで後にしている。自分が役に立てたのだと充実した気分。紺野に喜んでもらえたことが、とても率直に嬉しかった。
「じゃあ、またね」
「――ハイ!」
部屋を出る時に交わした短い会話を想い返すと、顔がにへらと崩れてしまう。そんな花柄の気分で弾んだままだったから、やや不意を突かれたようになった。
「よう」
「――!」
行き過ぎようとしたホテルのロビーで、その長身は掛けていたいたソファーからスッと立ち上がっている。
「しゅ……俊クン!」
「なに驚いてんだよ。社長から連絡いってただろ」
黒木俊太は面倒そうに顔を背けると、金髪の頭をぽりぽりと掻きながら言った。
「そ、そう……だけど」
「それとも――俺の迎えはいらねーか?」
「そっ、そんなこと言ってないよ」
「じゃあ、行こーぜ」
「うん……」