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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
その奇妙な部屋の雰囲気もそうだが、そもそも自分が何故ここに招かれているのかも、まるで見当がつかない。そして、咲花によって集められたという、このメンバーにしても……。
「フフ、なぁに?」
「いえ……」
向けられた視線を避け、サラは俯く。
それを送っていたのは、この夜の主宰である咲花だ。
その咲花が、テーブルのいわゆる“お誕生日席”の位置。そこから眺めて右側に紺野涼と紅谷零子が、そして左側にサラがそれぞれ席に着いていた。
だが、サラの横に用意された席はまだ空席で。それに座るはずの黒木は一人、壁を背にしたまま突っ立っている。その姿を見かねて――
「黒木くん――お招きをいただいてるのでしょう。口うるさいようだけど、これでも一応は貴方の上司だから」
零子は、たしなめるように言った。
「つーか……俺、こういう感じだって、聞いてなかったんで」
黒木も、内側の不満を隠さずに言う――が。
「だったら、どう聞いてたのかしら?」
そう零子に切り返された時には――
「そ、れは……」
と口にしながら、黒木は思わず咲花を見やる。そして怪しい笑みを返されると、気まずい雰囲気でそこから顔を背けた。
「……?」
その様子を、サラは不思議そうに眺める。
「ま、細かいことはいいけど。とにかく、座りなさい。背が高い黒木くんに立ってられると、他の皆が落ち着かないでしょ」
「はあ……」
やれやれと返事をした黒木は、サラの隣の席ではなくその後方の横長のソファーにどっかりと腰を下ろし、それが一連の動作であるように座った反動のままに細身の黒いスーツの長い脚を組み上げている。