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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?

「ま、なんでぇ? とか、別にそんな話はよくないですかぁ。お腹の中を探り合うなんて下品でちっともオシャレじゃないしー。とりあえず、この夜の出会いを祝して――って感じで? その方が、よくないですかぁ?」


 そう言った咲花の傍らに立った口髭の男の手には、一本の高級そうなワインが。そのラベルに目に止め――


「あら、咲花。煌びやかで派手ならそれでオッケー。ベタなシャンパンばかりを好む貴女にしては、随分と上品なチョイスだこと」

「ウフフフ――私だって、まだ零子さんがお店にいた頃の小娘とは違いますし」

「ふーん、そう。いくつになったの?」

「ええっ、聞かないでくださいよぉ。今年で、二十四――もう若さだけでは勝負できませんからぁ。そっちのお嬢ちゃん、みたいに」

「は……?」


 突如として話を降られ、サラはどぎまぎとする。


「いいわよねー、ホント。肌だってツルツルなんだし」

「い、いえ……そんな、私なんて……まるで垢抜ないし……」

「うん、そーだね。でも、そんなイモっぽいところが、素朴でいいんじゃない?」

「え? さあ……自分では、よくわかりませんけど」


 流石に馬鹿にされていると感じて、サラはやや肩を窄めると上目づかいに訝しげな眼差しを向ける。

 すると咲花は反対に、椅子の背もたれに仰け反るように顎を上げ。鼻であしらうように、自信に満ちた笑みを浮かべた。

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