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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
「……?」
その時、何故か緊張感を顕にしていた周囲に釣られたように、わけのわからないサラもその様子を息を呑んで見守っている。
そうした中で、くっ、と零子は一息にグラスのワインを呑み干した。
その上で――
「なぁに、どうかしたの?」
と、色っぽい艶やかな唇で、零子は周囲の面々に言う。そこで、高まった緊張感が、ふっと解けた。
その様子をまた不思議に思う、サラであったが――
「ねえってば、なんなの?」
再度その理由を黒木に問おうとするが、もう相手にされなていない。
「ちっ、なんでもねーよ……」
いつもみたいに舌打ちをした黒木は、自分のグラスを手にするとソファーに戻った。
「もう……」
なんだか黒木にあしらわれたと感じ、サラは少し焦れた。みんながいる前だからそうなのか。それとも自分に対してなにか……。
そう思った時に、ふと視線を合わせていたのはテーブルの向かい側に座る、紺野だ。
「ふふ、なにかな?」
「あ、いえ……なんでも」
視線を合わせたことに恐縮して、まだワインも口にしてないのに顔を紅く染めて俯く。意識してはいけないと思うほどに、それは明確だ。
そんな自分に呆れ、そうだ、と思う。